ニュース・コラム
News & Column
2023.12.29 注文住宅コラム
低炭素住宅とは?メリット・デメリットを徹底解説
環境問題への意識の高まりとともに、さまざまな面で省エネが取り沙汰されるようになっていますが、
住まい作りの分野でも例外ではありません。近年では、二酸化炭素の排出を抑える「低炭素住宅」に注目が集まっています。
低炭素住宅は単に省エネ性能が高いだけでなく、断熱性が高く快適に暮らしやすかったり、
住宅ローンの控除を優遇されたりと多くのメリットがあります。とはいえ低炭素住宅とはどのようなものなのか、
よく分からない方も多いでしょう。本記事では低炭素住宅の概要とメリット・デメリットについて詳しく解説します。
低炭素住宅とは?
低炭素住宅とは、二酸化炭素の排出量が抑制されている住宅のことです。
断熱材や複層ガラス窓など、冷暖房・給湯設備の省エネ化の工夫が施されています。
一般的な住宅よりも環境負荷の低い住宅で、都道府県や市区町村から認定低炭素住宅として特定基準を満たしていることを認められると、
さまざまな優遇措置が受けられます。またエネルギー消費を抑えられ環境に優しいのはもちろんですが、
光熱費の節約や優遇措置によって節約にもつながり、家計にも優しい住宅といえるでしょう。
低炭素住宅の認定基準
低炭素住宅の認定を受けるためには、所管の行政庁へ申請する必要があります。その際に、以下基準を満たしている必要があります。
省エネ法で定められる省エネ基準よりも、一次エネルギー消費量が20%以上である
再生可能エネルギー利用設備が設けられている
省エネ効果による削減量・再生可能エネルギー利用設備で得られる、エネルギー量の合計値が基準一次エネルギー消費量の50%以上である(戸建て住宅のみ)
その他の低炭素化に関する措置が講じられている
「その他の低炭素化に関する措置が講じられていること」については、以下いずれかの対策を施さなくてはなりません。
貯水対策(節水型機器や便器、水栓、食洗器の採用や雨水の利用など)
エネルギーマネジメント(HEMS・BEMSの導入、再生可能エネルギーによる発電設備や蓄電池の設置など)
ヒートアイランド対策(敷地や屋上、壁面の緑化など)
建築物(躯体)の低炭素化(住宅の劣化を軽減する措置、木造住宅など)
V2H充放電設備の設置
こうした基準を満たして行政から低炭素住宅に認定されれば、
住宅ローンの控除額の拡大や登録免許税の軽減といった優遇措置を受けられます。
長期優良住宅との違い
低炭素住宅の認定と似た制度として、長期優良住宅の認定制度もあります。
省エネ性を備えていたり税制優遇が設けられていたりと、
低炭素住宅と重なる部分もありますが、両者では認定基準に大きな違いがあります。
低炭素住宅の認定は、前述したように省エネ性能・低炭素化のための措置のみです。
しかし長期優良住宅の場合は、省エネ性能以外にも下記の項目を満たす必要があります。
劣化対策
耐震性
維持管理・更新の容易性
どちらも優良な住宅の証ですが、低炭素住宅の方が認定基準が少ないため、
長期優良住宅に比べると難易度は低くなっています。
低炭素住宅のメリット
低炭素住宅の認定を受けることは、環境保護につながる以外にも大きく3つのメリットがあります。
ここからはそれぞれの詳細について解説するので、どのようなメリットがあるのか把握しておきましょう。
低金利の住宅ローンを利用できる
低炭素住宅に認定されると、低金利で利用できる住宅ローンも存在します。
通常よりも低い金利でローンを利用できれば、完済までのトータルで数十万円~数百万円ほど支払うお金が少なくて済むこともあります。
住宅ローンは一般的に10年以上の長期間にわたって返済するものなので、低金利で借りられれば、家計への負担を大きく抑えられるでしょう。
容積率を緩和できる
低炭素住宅では容積率を緩和できるため、一般的な住宅よりも広い家を建てられるのもメリットです。
容積率とは、敷地面積に対してどれほどの大きさの建物を建てられるかという割合のことです。
容積率が大きいほど、敷地に対して広い家を建設できます。
低炭素住宅の場合は、低炭素化に必要な設備は容積率の計算に含まないという緩和措置が設けられているため、
同じ敷地面積でも一般住宅と比較すると広い家を建てられます。
断熱性が高く快適に暮らせる
低炭素住宅に認定されるには優れた断熱性・気密性が必要になるため、必然的に暮らしやすい家作りにつながります。
断熱性が高い家は、夏は涼しく冬は暖かい快適な温度で暮らせるため、季節を問わず過ごしやすい住環境が整うでしょう。
また冷暖房効率がアップするため、光熱費の節約につながるのも魅力です。
低炭素住宅のデメリット
低金利の住宅ローンを利用できるなどのメリットがある一方で、低炭素住宅にんはいくつかデメリットも存在します。
デメリットも把握した上で、低炭素住宅を選ぶかどうか判断しましょう。
設備が高額になる
低炭素住宅は一般的な住宅よりも設備が高額になるため、建築費用が高額になってしまうのがデメリットです。
低炭素住宅の認定を目指すためには、高い外皮性能と省エネ性の高い間取り、
設備(節水関連設備や蓄電池など)の導入が欠かせません。同じくらいの規模の一般的な住居を建設するのと比べて、
数十万円~百万円近くは建設費が高くなってしまうでしょう。
とはいえ高い省エネ性能により光熱費が安く済むことや、税制の優遇措置、低金利の住宅ローンなどを考慮すると、
長い目で見ればお得になる可能性もあります。施工会社に見積もりを出してもらって、
実際のコストと将来的なコストを比較してシミュレーションをすることが大切です。
希望エリアに建てられない可能性がある
建設予定エリアによっては低炭素住宅の認定申請ができず、希望エリアに建てられないケースも考えられます。
低炭素住宅の申請は「市街化区域内」に、建てた場合のみに限られます。
市街化区域とは、既に市街地として栄えている地域や今後市街化が進められる地域のことで、
都市計画法によって定義されているエリアです。基本的に住宅用地は市街化区域内にあるケースがほとんどですが、
不安な場合は市街化区域内かどうか事前に確認しておきましょう。
まとめ
低炭素住宅とは高い断熱性や冷暖房・給湯設備の省エネ化によって、環境に優しい住宅のことです。
その高い省エネ性能から家計にも優しく、低金利の住宅ローンや税制の優遇などさまざまなメリットがあります。
ただし設備費が高額になるなどのデメリットもあるため、
予算と相談するのはもちろん将来的なランニングコストとの釣り合いも含めて、しっかりシミュレーションをすることが大切です。
著者情報
愛知県豊橋市を中心にデザイン性の高い注文住宅を手がける住宅会社「子育て安心住宅&デザインラボ」。
愛知県豊橋市、豊川市、新城市、田原市、蒲郡市、北設楽郡、岡崎市、幸田町、西尾市、安城市、知立市、刈谷市、
そして静岡県湖西市、およびその近郊と広い地域で対応しています。
豊橋市近郊での注文住宅に関わる情報発信、イベント情報、建築中の現場情報、スタッフの近況など、お客様に向けた情報発信をしています。
最新のイベント情報はこちら>>
モデルハウス完成見学会(豊橋市馬見塚町)
環境に配慮した住宅コラムはこちら>>
Concept
子育て安心住宅&デザインラボの家づくり