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2024.03.22 注文住宅コラム

築浅の家でも倒壊する?!地震に備える安心の家づくり

2024年1月1日に発生した能登半島地震は、多くの被害をもたらしました。
被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
震度7という強い揺れは、家屋倒壊や火災など甚大な被害を引き起こし、
私たちに改めて地震対策の重要性を教えてくれました。
日本は地震大国であり、いつどこで地震が発生してもおかしくありません。
特に、東海地震と南海地震が連動して発生する巨大地震では、マグニチュード9クラスの地震が想定されており、
三河地区でも震度7クラスの強い揺れが予想されます。
そこで、大地震に備える安心の家づくりの秘訣について解説します。

能登半島地震による建物の被害状況

被災地の現地調査によると、建物が全壊して道を塞いでいるような状況が多い一方で、
そのすぐ横に、なんともない状態で立っている建物も多いそうです。
その差が生じた理由は、耐震性能の違いによることは明らかでしょう。
甚大な被害を受けた木造建築物のほとんどは、1階に大きな開口部がある店舗のような建物や、
築年数がかさんで重たい瓦の乗った建物でした。
一方、比較的築年数が浅く、現在の耐震基準による建物の多くはほとんど被害を受けておらず、
建物の耐震対策を強化することの重要性が改めて浮き彫りになりました。

地震に強い家を建てるには
では、どうすれば地震に強い家を建てられるのでしょうか。
そのためのポイントを3つご紹介します。

1.耐震等級3の家づくり

耐震等級とは、地震に対する建物の強さを表す指標です。
等級の数字が大きいほど、地震に強い建物となり、最高ランクの等級は3です。

【耐震等級の種類】

耐震等級1:建築基準法で定められている最低限の耐震性能
耐震等級2:耐震等級1の1.25倍の耐震性能
耐震等級3:耐震等級1の1.5倍の耐震性能

上記の等級のうち、最高等級の「3」は、耐震等級1の1.5倍の耐震性を備えるために、
耐震等級2よりもさらに壁の強度を上げて、壁の量を増やし、床の剛性も高めなければなりません。
さらに、地震の力を分散できるように、構造躯体の接合部に使う金物を適切に配置するため、
より複雑な構造計算が求められます。

【耐震等級に関わるポイント】

耐震等級を上げるには、次のポイントに基づいて建物を設計する必要があります。

建物の重さ
建物の重さは、耐震性に大きく影響します。例えば耐力壁の強度が同じ2棟の建物のうち、
片方は瓦屋根、片方はガルバリウム鋼板の屋根だったとすると、
重たい瓦屋根の家の方が耐力壁に負荷が大きくかかるため、耐震性が下がります。
つまり、耐震性を高めるには、屋根や外壁に重量の軽い素材を選び、建物の軽量化を図ることが重要です。

耐力壁の量
地震や台風などによる横からの圧力に抵抗するための「耐力壁」は、多ければ多いほど耐震性が高くなり、耐震等級が上がります。
2階建ての場合には、2階の重量が1階にかかってくるため、1階に耐力壁が多いほうが耐震性が高くなります。
そのため、耐震性だけで考えると、広い空間が必要なリビングを2階に配置し、壁量が増える個室を1階に配置したほうが有利です。

耐力壁の配置バランス
耐力壁は、単に数を増やせばよい訳ではありません。配置バランスも非常に重要です。
どんなに耐力壁を多く設けても、建物の片側だけに集中していれば、一方だけ強く、重たくなってしまいます。
そうすると地震の発生時に、弱いほうに負荷がかかり、倒壊・崩落の危険性が高まってしまいます。

床の剛性
耐震性を高めるには、柱や壁の強度だけでなく、床の剛性(硬さ)を高めることも重要です。
どんなに壁の強度を高めても、それを支える床の剛性が低くければ、建物が簡単にねじれてしまい、壁が崩落します。
そのため、床にも構造用合板を用いるなどして強度を高める必要があります。

2.許容応力度計算の実施

木造住宅を建てるときには、特定行政庁や確認検査機関へ設計図書を提出します。
しかし、驚くべきことに、木造2階建て以下・約151.25坪(500㎡)以下の家の場合、
構造の安全性に関わる書類は提出不要です。
ということは、多くの木造住宅がそれに該当するため、
ほとんどの家は構造の安全性に関する書類の提出を省略できていることになります。

つまり、現行の建築基準法で提出が必要なのは、特定の図面や建築地の情報書類だけで、
構造計算は提出されません。そのため、各建築士の安全性評価が適切に行われているかどうかを検証するものがないのです。

さらに、地震対策に最も効果的だとされる「許容応力度計算」は、計算がかなり複雑なのであまり行われていません。
結果的に、各住宅会社によって住宅の構造安全性に格差が生じています。

2025年に建築基準法が改定
このままでは地震時の安全性が保てないとの有識者の意見から、2025年度から建築基準法が改定されることになりました。
改正後は、ほとんどの木造住宅(200㎡以下の平屋を除く)を対象に、
構造の安全性に関して「仕様規定」「性能表示計算」「許容応力度計算」のいずれかの計算方法によって図書審査を受けなければならなくなります。
では、上記の3つの計算方法にはどんな違いがあるのでしょうか。

【3つの計算方法】

仕様規定(簡易計算)

「仕様規定」とは、木造2階建て以下の住宅の構造計算を簡単にできる新しいルールです。
従来は、専門的な知識が必要な許容応力度計算や性能表示計算が必要でしたが、
仕様規定では、標準壁量表や標準壁小径表によって必要な壁量や柱の太さを簡単に計算できるようになります。
ただし、床などが含まれる水平構面、梁(はり)や桁(けた)などが含まれる横架材や基礎については計算の対象外となります。

性能表示計算

性能表示計算では、「仕様規定」では計算しない床や屋根などの「水平構面」と呼ばれる部分についても検討します。
水平構面(床、屋根)は、地震力や風圧力などの「水平力」を伝える役割があります。
建物を地震や台風などから守るには、建物の一体性を高めるための水平構面が非常に重要です。
しかし、基礎や横架材に関する検証は、この計算では不十分だといわれています。

許容応力度計算

「許容応力度計算」は、各部材について計算が詳細に行われます。
そのため、構造計算書の書面は200ページ以上もの膨大な量になります。
許容応力度計算では、台風や地震によって建物にかかる力(応力)を計算し、
万一地震が生じた際にどれくらいの強度が必要なのかを計算します。
許容応力度計算を行って耐震性が保証された建物は、地震に対する有効性が高いといわれています。

上記のように、新しい建築基準法では、3つの計算方法が設けられますが、
「許容応力度計算」の安全性が一番高いことがわかります。

現行の基準法でも、耐震等級3には計算方法が3種類あり、それによって実際の強さや根拠がまったく異なります。
その中でも最も精度が高いのは、紛れもなく許容応力度計算です。つまり、単に耐震等級3だけでなく、
許容応力度計算を実施していることで、耐震性に対する信頼度がかなりアップするということです。
せっかく建てたマイホームに家族みんなで長く住み続けるためには、これからの家づくりでは、
「許容応力度計算」による耐震等級3は必須だといえるでしょう。

 

3.制震装置で余震対策

2016年に発生した熊本地震は、最大震度7を観測し、大きな被害をもたらしました。
この地震で特に注目されたのが、震度7の揺れが2度も発生するという前代未聞の事態に見舞われたことです。
そのため、熊本地震を機に、繰り返しの揺れに強い耐震性能が求められるようになりました。そこで注目されているのが「制震装置」です。

制震装置とは

「制震」とは、建物内で地震の揺れを吸収する構造のことを示します。
そして、「制震装置」とは、建物の揺れを減衰させる装置のことです。

ダンパーやおもりなどで構成された制震装置を建物の内部に設置すると、地震の揺れを小さくすることができます。

制震は「免震」とは異なり、地盤の揺れが建物に直接伝わってきます。
しかし、ダンパーなどの制震装置が地震の揺れを熱エネルギーに変えて、空気中に放出してくれるのです。
その結果、揺れが小さくなり、建物が倒壊しにくくなります。

ダンパーには、油圧を利用した「オイルダンパー」や、ゴムやアクリル樹脂などの粘弾性素材を使った「ゴムダンパー」、
変形する性質を利用した「金属ダンパー」など、複数の種類があります。

制震装置が有効な理由

耐震性能を十分に備えた家でも、大地震で倒壊したり損傷したりしてしまう事例が実際に多く発生してきました。
倒壊しないはずの耐震住宅は、なぜ倒壊してしまったのでしょうか?
その理由は、耐震性能が劣化するためです。日々発生する小さな揺れによって、住宅の構造は少しずつダメージを受けて変形し、耐震性能は徐々に劣化していきます。
ましてや大型地震が生じて、複数回の余震に見舞われることになれば、耐震性能は、大幅に低下していることになります。

そのため、住宅の耐震性能を維持するために制震装置が注目されているのです。
制震装置が揺れのエネルギーを吸収することで、耐震構造への影響を防ぎ、住宅を守る機能が最大限に発揮されます。

 

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まとめ

築年数の浅い建物でも、大地震に強いとは限りません。また、耐震等級3の家でも、構造計算の方法によって実際の耐震性に差が生じます。
本当の意味で地震に強い家を建てたいのなら、耐震等級3・許容応力度計算・制震装置の3つの要素を備えることが非常に有効です。
家づくりの際には、まず住宅会社に耐震性能についての説明をしっかり聞いてから判断しましょう。

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著者情報

愛知県豊橋市を中心に、デザイン性とともに丈夫かつ住みやすさにこだわった注文住宅を手掛ける住宅会社です。
耐震等級3を標準仕様とし省エネZEH対応も可能、土地探しから理想の家づくりまでお手伝いします。
<施工エリア>
・愛知県
豊橋市 / 豊川市 / 新城市 / 田原市 / 蒲郡市 / 北設楽郡 / 岡崎市 / 幸田町 / 西尾市 /
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湖西市/およびその近郊
 

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