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2025.02.03 注文住宅コラム
失敗しない!クロス選びの完全ガイド

住まいの印象を決める重要な要素であるクロス(壁紙)。毎日目にし、触れるクロスは、空間の雰囲気づくりに大きな影響を与えます。しかし、多くの方が「種類が多すぎて選び方がわからない」「同じような色で迷ってしまう」とお悩みです。そこで今回は、理想の住空間を作るためのクロス選びのポイントをご紹介します。
■なぜクロス選びが重要なのか
クロスは床面積の何倍もの面積を占め、私たちの目線の高さにあるため、空間の印象を大きく左右します。適切なクロス選びは、快適な住空間づくりの基礎となるのです。例えば、明るい色調のクロスは空間を広く感じさせ、落ち着いた色調は心地よい安らぎを与えてくれます。
また、クロスは単なる装飾材ではありません。室内の温度や湿度、音の反響、空気の質など、住環境にも大きな影響を与えます。そのため、デザイン性だけでなく、機能性も含めた総合的な選択が求められます。
■理想のインテリア空間をイメージしよう!
クロス選びで最初に行うべきことは、理想の住空間のイメージづくりです。SNSやインテリア雑誌で気になる空間の写真を集めることから始めるのがおすすめです。写真を集めていく中で、自然と自分の好みや理想の空間が見えてきます。
住空間の基本的なスタイルには、モダン、ナチュラル、クラシック、インダストリアル、ジャパニーズモダンなど、様々なものがあります。モダンスタイルであれば、無地や幾何学模様、グレーやホワイトを基調としたクロスが空間に調和します。一方、ナチュラルスタイルなら、木目調や織物調、ベージュや淡いグリーンのクロスが心地よい雰囲気を演出してくれます。
■知っておきたいクロスの種類と特徴
現在のクロス市場では、主に4種類のクロスが主流となっています。
<ビニールクロス>
まず最も一般的なのがビニールクロスです。水や汚れに強く、お手入れが簡単という特徴を持ち、耐久性も高いため、多くの住宅で採用されています。ただし、通気性が低く、経年での劣化(黄ばみ)が気になることもあります。
<紙クロス>
次に紙クロスは、自然素材ならではの風合いと、優れた調湿性が特徴です。環境にやさしく、空気の浄化作用も期待できますが、水や油に弱いという特性があります。価格も比較的高めになりますが、自然な質感を重視する方に特に人気があります。
<不織布>
不織布は、紙とビニールの中間的な性質を持つ素材で、近年人気が高まっています。破れにくく、張り替えが容易な上、通気性もあり、デザイン性も優れています。ただし、ビニールクロスと比べると耐水性は劣ります。
<塗るクロス>
最後に、新しい選択肢として注目されているのが塗るクロス(リキッドウォールペーパー)です。DIYが容易で継ぎ目がなく、補修も簡単という利点がありますが、平滑な仕上がりが難しく、色むらが出やすいという特徴があります。
■進化するクロスの機能性
現代のクロス技術は日々進化を続けており、様々な機能が付加されています。例えば、抗菌・消臭機能を備えたクロスは、細菌の増殖を抑制し、生活臭やペット臭を軽減する効果があります。さらに最新の製品では、ウイルスの不活化効果やアレルゲンの低減効果まで期待できるものも登場しています。
調湿・通気機能を持つクロスは、結露やカビの発生を抑制し、室内の湿度を快適に保ってくれます。特に、日本の高温多湿な気候においては、この機能が重宝されています。
また、実用面では汚れ防止や表面強化の機能も進化を続けています。傷つきにくい表面加工や、落書きが拭き取れる機能、油汚れが付きにくい加工など、メンテナンス性を高める工夫が施されています。さらに、断熱・遮音性能を備えたクロスも増えており、室温の安定化や外部騒音の軽減にも貢献しています。
■部屋の特性に合わせた選び方
次に、LDKや水回りなど、室内の各スペースにはどんなクロスが適しているのかを考えてみましょう。
<リビングダイニング>
リビング・ダイニングは、家族が最も長い時間を過ごす空間です。そのため、飽きのこない落ち着いた配色を基本に、耐久性の高い素材を選ぶことが大切です。壁一面をアクセントクロスにすることで、空間に個性を出すこともできますが、あくまでも長く快適に過ごせることを優先して選びましょう。
<キッチンや水回り>
キッチンや水回りでは、耐水性と耐汚性が特に重要です。防かび性能や油汚れの拭き取りやすさを重視し、日々のお手入れがしやすいクロスを選びましょう。水はねや油はねが多い場所では、特に表面の防汚コーティングが施された製品がおすすめです。
<主寝室>
寝室は、リラックスできる空間づくりが重要です。落ち着いた色調で、さらに調湿機能や消臭機能を備えたクロスを選ぶことで、質の高い睡眠環境を整えることができます。目に優しい中間色や、光の反射が穏やかな素材を選ぶと、より心地よい空間になります。
<トイレやウォークインクローゼットなどの小空間>
トイレやウォークインクローゼットなどの小さな空間は、大胆な柄のクロスや、グレー一色のクロスなどを用いて大胆にコーディネートするのもおすすめです。自分らしさを演出することで、住まい全体に個性が生まれ、暮らしにときめきが生まれます。
■色彩とトーンが空間に与える影響
クロスの色選びは、空間の印象を大きく左右する重要な要素です。白は清潔感と開放感を、ベージュは温かみと安心感を、グレーは落ち着きとモダン感を演出します。ブルーは清々しさと冷静さを、グリーンはリラックスと自然との調和を表現します。このように、色には独自の心理的効果があり、空間の用途に合わせて選ぶことが大切です。
また、同じ色でも、トーン(色調)の違いによって印象は大きく変わります。鮮やかで強い印象を与えるビビッドトーン、明るく軽やかな印象のライトトーン、落ち着きと重厚感のあるダークトーン、洗練された大人の印象を与えるグレイッシュトーン、柔らかく優しい印象のペールトーンなど、様々なバリエーションがあります。
■失敗しないための実践的なポイント
次に、クロス選びに失敗しないための重要ポイントを2つご紹介します。
ポイント1:光の影響を考える
クロス選びで最も重要なのは、光の影響を考慮することです。自然光や照明によって、クロスの見え方は大きく変化します。朝・昼・夜の見え方の違い、晴れの日と曇りの日での違い、照明の種類による見え方の変化など、様々な条件下での確認が必要です。
ポイント2:A4以上のサンプルを取り寄せて検討する
そのため、必ずA4サイズ以上のサンプルを取り寄せ、実際の壁に貼って確認することをおすすめします。カタログだけでは分からない質感や色味の違いが、実物のサンプルでは明確になります。また、家具や床材との相性も、実際に空間に置いてみることで初めて分かることが多いのです。
ポイント3:予算と価値を考える
クロスの価格は、素材や機能によって大きく異なります。一般的なビニールクロスであれば比較的リーズナブルですが、高機能な製品や輸入クロスになると、価格は大きく上がります。しかし、単純な価格の高低だけでなく、耐久性やメンテナンス性、張り替え周期なども含めた総合的な判断が必要です。
例えば、安価なクロスを選んでも頻繁に張り替えが必要になれば、結果的にコストがかさむことになります。逆に、初期費用は高くても耐久性の高い製品を選ぶことで、長期的には経済的になる場合もあります。
■まとめ
クロス選びは、見た目の美しさだけでなく、お手入れのしやすさや耐久性、健康面への配慮など、様々な要素を総合的に判断する必要があります。まずは空間全体のイメージを決め、必要な機能を明確にした上で、実物サンプルでしっかりと確認を行いましょう。光の影響を考慮し、予算と相談しながら総合的に判断することで、理想のクロス選びが実現できます。この記事で紹介したポイントを参考に、ご家族にぴったりのクロスを見つけて、より心豊かな暮らしを実現しましょう。
著者情報
愛知県豊橋市を中心に、デザイン性とともに丈夫かつ住みやすさにこだわった注文住宅を手掛ける住宅会社です。
耐震等級3を標準仕様とし省エネZEH対応も可能、土地探しから理想の家づくりまでお手伝いします。
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