ニュース・コラム
News & Column
2024.09.28 注文住宅コラム
暮らしが変わる魔法の収納空間〜パントリーの設計ポイント〜
最近、家づくりをプランする際に、パントリーを希望するご家庭が増えてきました。
欧米では一般的なこの収納スペースが、日本の住宅でも徐々にスタンダード化しています。
特に子育て世代のご家族にとって、パントリーは生活の質を大きく向上させる可能性を秘めています。そこで、パントリーの基礎知識から魅力やメリット、適切な広さ、設計時のポイントに至るまで、パントリーを設ける際に参考になる情報を一挙にご紹介します。
◾️そもそもパントリーとは?
パントリー(Pantry)は、食品や調理器具、食器などを収納するための専用の部屋や空間のことを示します。語源は中世ラテン語の「panētāria(パンを保管する場所)」で、もともとはパンや他の食品を保管する部屋を意味していました。
現代の日本の住宅におけるパントリーは、主にキッチンに隣接して設けられる収納空間です。
その役割は単なる物置とは異なり、以下のような機能を持っています。
食品ストック管理
乾物、缶詰、調味料などの保存食品を整理して保管します。
調理器具の収納
普段使わない調理器具や大型の鍋などを収納します。
食器の収納
来客用の食器やパーティー用の大皿なども収納できます。
家電製品の収納
炊飯器、電子レンジ、トースターなど、カウンターに置ききれない家電を収納します。
作業スペース
食材の下ごしらえや、食品の小分け作業などを行うスペースとしても活用できます。
つまり、パントリーはキッチンの延長線上にある機能的な空間として、家事の効率化や空間の有効活用において大きな役割を果たす存在なのです。
◾️パントリーがあるとこんなに便利!
パントリーを設けることで、家族の生活にさまざまなメリットが得られます。
パントリーの主な魅力とメリットをまとめてみました。
メリット 1. キッチンの整理整頓が容易に
パントリーがあることで、キッチンのカウンターや棚をすっきりと保つことができます。日常的に使用する調理器具や食器以外はパントリーに収納することで、キッチン空間がより広く、使いやすくなります。
メリット 2. 効率的な食材管理
まとめ買いした食材や調味料を一括して管理できるため、在庫の把握が容易になります。これにより、食材の無駄を減らし、計画的な買い物が可能になります。
メリット3. 収納スペースの確保
パントリーは、食品や調理器具に限らず、掃除用具や日用品のストックなども収納できる多目的なスペースとして活用できます。そのため、家全体の収納力が向上します。
メリット4. キッチンを常に美しくすっきりキープ
キッチン用品や家電、食材など、生活感の出るものをすべてパントリーに隠して収納できるため、キッチンを常にすっきりと美しく保てます。また、必要なものがすぐに見つかり、キッチンが常に整理された状態を保てることは、精神的なストレス軽減にもつながります。
メリット5. 来客時の対応が楽に
普段使わない来客用の食器やパーティー用の大皿なども、パントリーにすっきりと収納できます。急な来客時にも、必要なものをすぐに取り出せるため、おもてなしの準備がスムーズになります。
メリット6. 子どもの食育にも活用可能
パントリー内に子どもが手の届く高さの棚を設けることで、子どもの食への興味を育てることができます。自分で食材を選んだり、簡単な料理の手伝いをしたりする機会を作ることができます。
メリット7. 季節の変化に対応しやすい
季節ごとに使用する調理器具(例:鍋、バーベキューセットなど)を、使わない時期はパントリーに収納しておくことができ、季節に応じた柔軟な空間利用が可能になります。
メリット8. 生活音の軽減
食器や調理器具の出し入れなどの音が、リビングや寝室に伝わりにくくなります。
メリット9. 家事の分担がしやすい
パントリーという明確な収納スペースがあることで、家族間での家事の分担がしやすくなります。食材の補充や整理などの作業を、家族のメンバーで分担することが容易になります。
◾️パントリーの広さはどのくらい必要?
パントリーの適切な広さは、家族構成や生活スタイル、住宅の全体的な広さなどによって異なります。一般的な目安としては、以下のようなサイズ感をご参考ください。
パターン1. 最小サイズ:約2㎡(1畳程度)
・幅:90cm〜120cm
・奥行き:60cm〜90cm
これは、棚やラックを効率的に配置することで、基本的な食品ストックや調理器具の収納が可能な最小サイズです。狭小住宅や、既存の住宅にパントリーを追加する場合に適しています。
パターン 2. 標準サイズ:約3〜4㎡(2畳程度)
・幅:150cm〜180cm
・奥行き:90cm〜120cm
広さがこれだけあれば、食品や調理器具の収納に加え、小さな作業スペースを設けることも可能です。4人家族程度の一般的な世帯に適したサイズといえます。
パターン3. 大型サイズ:約6㎡以上(3畳以上)
・幅:180cm以上
・奥行き:150cm以上
広めのパントリーでは、大量の食材ストックや大型の調理器具の収納、十分な作業スペースの確保が可能です。大家族や、頻繁にホームパーティーを開く家庭に適しています。
<広さを決めるときのチェックポイント>
1.家族の人数
家族が多いほど、食材や調理器具の量も増えるため、より広いスペースが必要になります。
2. 買い物の頻度
まとめ買いをする家庭では、より多くの収納スペースが必要になります。
3. 調理の頻度と種類
自炊が多い家庭や、様々な料理を作る家庭では、多様な調理器具や食材を収納するスペースが必要です。
4. 収納したいものの種類
食品や調理器具以外に、掃除用具や日用品のストックなども収納したい場合は、より広いスペースが必要になります。
5. 作業スペースの有無
パントリー内で食材の下ごしらえや小分け作業を行いたい場合は、作業台を設置するスペースを考慮する必要があります。
6. 住宅全体の広さとのバランス
パントリーが広すぎると、他の生活空間を圧迫する可能性があります。全体的なバランスを考慮することが重要です。
7. 将来的な家族構成の変化
子どもの成長や家族の増減を見据えて、ある程度の余裕を持たせることも検討しましょう。
パントリーの広さを決める際には、これらの要素を総合的に考慮し、ご家族のライフスタイルに最適なサイズを選択することが重要です。
◾️パントリーを設けるときはここに注意!
パントリーを効果的に設計し、最大限に活用するためには、いくつかの重要なポイントがあります。以下に、パントリーを設ける際の主要なポイントをご紹介します。
ポイント1. 適切な配置
パントリーはキッチンのすぐそばに配置するのが理想的です。これにより、調理中の移動を最小限に抑えることができます。また、キッチンからパントリーへのスムーズな移動が可能な動線を確保しましょう。可能であれば、リビングからも直接アクセスできる配置を考えると便利です。
ポイント 2. 効率的な収納システム
棚の高さを調整できる可動棚を採用することで、収納物の大きさに応じて柔軟に対応できます。
奥行きのある収納には引き出し式のシステムを採用すると、奥のものも取り出しやすくなります。頻繁に使うものはオープン棚に、あまり使わないものは扉付きの収納に入れるなど、使用頻度に応じた収納を選択しましょう。
ポイント3. 適切な照明
パントリー内部が暗いと、物の出し入れや管理が困難になります。十分な明るさを確保しましょう。
両手がふさがっている時でも自動で点灯するセンサーライトを設置すると便利です。また、棚の下に照明を設置することで、収納物を見やすくすることができます。
ポイント4. 換気と温度管理
食品の鮮度を保つために、適切な換気設備を設けることが重要です。また、直射日光が当たらない場所を選び、必要に応じて断熱材を使用するなど、温度管理に配慮しましょう。
ポイント5. 電源の確保
小型家電を使用する可能性を考慮し、適切な位置にコンセントを設置しましょう。掃除機やハンディクリーナーの充電スペースとしても活用できて便利です。
ポイント6. 作業スペースの確保
食材の下ごしらえや小分け作業を行うためのカウンターがあると便利です。スペースに余裕がない場合は、折りたたみ式の作業台を用いるのがおすすめです。
ポイント7. ドアの選択
開き戸よりも引き戸の方が、スペースを有効活用できます。また、ドアを半透明にすることで、中の様子がわかりやすくなります。
ポイント8. 床材の選択
頻繁に出入りする場所なので、傷つきにくく掃除がしやすい床材を選びましょう。また、万が一の水漏れや食品のこぼれに備え、防水性能の高い床材を選択するとよいでしょう。
◾️まとめ
パントリーは、単なる収納スペース以上の価値を持つ、現代の住まいにおける重要な機能空間です。特に子育て世代の家族にとっては、日々の生活を快適にし、家事の効率を高める大きな助けとなります。
適切な広さと効果的な設計のパントリーを設けることで、以下のような利点が得られます:
1. キッチンとリビングがすっきりと整理され、生活空間の質が向上します。
2. 食材や調理器具の管理が容易になり、無駄や探し物の時間が減少します。
3. 作業効率が上がり、料理や家事の時間を短縮できます。
4. 子どもの食育や家事参加を促進し、家族のコミュニケーションを豊かにします。
5. 収納スペースの確保により、住宅全体の収納力が向上します。
パントリーの設計にあたっては、家族構成やライフスタイル、将来の変化などを十分に考慮し、自分たちに最適な空間を作り上げることが大切です。
効率的な収納システム、適切な照明、温度管理、子どもへの配慮など、さまざまな要素を総合的に検討しましょう。
◾️関連コラム
パントリー・ランドリールーム間取りのつくり方¦家事楽が叶う間取りのコツ
著者情報
愛知県豊橋市を中心に、デザイン性とともに丈夫かつ住みやすさにこだわった注文住宅を手掛ける住宅会社です。
耐震等級3を標準仕様とし省エネZEH対応も可能、土地探しから理想の家づくりまでお手伝いします。
<施工エリア>
・愛知県
豊橋市 / 豊川市 / 新城市 / 田原市 / 蒲郡市 / 北設楽郡 / 岡崎市 / 幸田町 / 西尾市 /
・静岡県
湖西市/およびその近郊
Concept
子育て安心住宅&デザインラボの家づくり