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2024.09.21 注文住宅コラム
予算オーバー注意!平屋が2階建てより割高になりがちな理由と対策
ここ数年、依然として人気が続く平屋の家。階段を使わずに生活できる利便性や、バリアフリー性の高さから、
多くの人々が憧れる住宅スタイルとなっています。しかし、その魅力的な特徴とは裏腹に、「平屋は高すぎる!」という声も少なくありません。
実際、平屋は2階建ての住宅と比べて割高になることが多いのです。
しかし、あきらめるのはまだ早い!なぜ平屋は高くなりがちなのか、その理由を理解し、
適切な対策を取ることで、予算内で理想の平屋を建てることも可能です。
そこで、平屋が高くなる理由と、それを抑えるための方法を詳しく解説していきます。
◾️なぜ平屋は2階建てよりも割高になるのか
平屋が2階建ての住宅よりも割高になる理由には、いくつかの要因があります。主な理由を詳しくみていきましょう。
理由1:屋根と基礎の面積が大きくなるから
平屋の最大の特徴は、すべての生活空間が1階にあることです。
これは同時に、敷地における建物の占有面積が2階建てよりも大きくなることを意味しています。
例えば、延べ床面積が30坪の住宅を考えてみましょう。
同じ延べ床面積でも、総2階建てと平屋では、次のように1階の面積が変わります。
●2階建ての場合 → 1階15坪 + 2階15坪
●平屋の場合 → 1階30坪
この違いは、屋根と基礎の面積に大きく影響します。
つまり、2階建ての場合、15坪分の屋根と基礎で済むのに対し、平屋では30坪分の屋根と基礎が必要になるのです。
そのため、これらの部分の材料費と施工費が約2倍になってしまいます。
理由2:土地の面積が2階建てよりも広く必要になるから
理由1からもわかるように、平屋を建てるには、総2階の家を建てるよりも広い土地が必要となります。
これは単に建物の占有面積だけでなく、法律で定められた建ぺい率(敷地に対して建物が占める割合の上限)も関係してきます。
例えば、建ぺい率が50%の地域で30坪の平屋を建てる場合、最低でも60坪の土地が必要になります。
さらに、駐車場や庭などの外構スペースを考慮すると、より広い土地が求められます。
土地の価格は地域によって大きく異なりますが、一般的に広い土地ほど高額になるため、
これが平屋の建築コストを押し上げる要因となります。
理由3:外構費用が余計にかかるから
広い土地は、それに応じた外構工事を必要とします。駐車場、アプローチ、庭、フェンスなどの外構要素は、土地の面積が大きくなるほど増加します。
これらの外構工事にかかる費用も、平屋の総コストを押し上げる要因となります。
理由4:設備配管の長さが増えるから
平屋は横に広がる構造のため、給排水管や電気配線などの設備配管の長さが2階建てよりも長くなります。
それが材料費と施工費の両方を増加させる要因となります。
理由5:デザインや仕様へのこだわりが強いから
平屋を選択する人々は、住まいに対する明確なビジョンやこだわりを持っていることが多いです。
そのため、デザイン性の高い内外装や高機能な設備を選択する傾向があります。
これらの要素は建築コストを押し上げる要因となりますが、同時に住まいの質と快適性を高める重要な投資でもあります。
◾️平屋を安く建てるための8つの方法
前項目では平屋の建築コストが高くなりがちな理由をご説明しましたが、
では、どうすればコストを抑えつつ、理想の平屋を実現できるでしょうか?
以下に、7つの効果的な方法をご紹介します。
方法1:適切な規模の住宅を計画する
コスト削減の最も効果的な方法は、延べ床面積を必要最小限に抑えることです。
家族構成や生活スタイルを考慮し、本当に必要な広さを見極めましょう。
各部屋の大きさや数を最適化することで、建材費、人件費、そして設計費用を大幅に削減できます。
方法2:外観や内観のデザインをシンプルにする
おうとつの多い複雑な外観デザインは、設計や施工に手間がかかり、特殊な部材(役物)も必要となるため、コストが高くなります。
一方、シンプルな四角形に近い外観であれば、設計・施工が容易になり、標準的な部材で済むためコストを抑えられます。
同時に、内装デザインもシンプルにすることで、人件費や建材費を抑えることが可能です。
方法3:一体的な間取りを採用する
リビング、ダイニング、キッチンを別々の部屋にすると、壁やドアの数が増え、建材費と施工費が高くなります。
これらを一体的なLDKとして設計することで、コストを抑えつつ、開放的で使いやすい空間を作ることができます。
また、南側からの光を北側まで届けやすくなるなど、住環境の向上にもつながります。
方法4:移動のためのスペースを最小限に抑える
廊下や玄関など、移動のためだけに利用されるスペースを最小限にすることで、建物の面積をコンパクトに抑えられます。
例えば、廊下のない間取りにすると、生活動線や家事動線が短くなり、より暮らしやすくなるというメリットもあります。
方法5:工務店・ハウスメーカーの標準仕様を活用する
多くの工務店やハウスメーカーは、頻繁に使用する標準的な設備や内外装材を持っています。
これらは大量発注によって単価が抑えられているため、コスト面で有利です。
一方、特注品や高級仕様を選択すると、材料費だけでなく施工の手間も増えるため、コストが大幅に上昇します。
予算に余裕がない場合は、標準仕様の中から最適なものを選ぶことをおすすめします。
方法6:省エネ性能とメンテナンス性を重視する
初期コストを抑えるために断熱性能や設備のグレードを下げると、長期的には光熱費の増加やメンテナンス費用の上昇につながる可能性があります。
特に窓や断熱材などの基本性能に関わる部分は、適切なグレードを選択することが重要です。
初期コストと長期的なランニングコストのバランスを考慮し、総合的に経済的な選択をしましょう。
方法7:必要十分な広さの土地を選ぶ
土地の取得費用は、住宅建築の総コストに大きな影響を与えます。必要以上に広い土地を購入すると、建物だけでなく外構工事のコストも増加します。
家族構成や生活スタイルを考慮し、必要十分な広さの土地を選ぶことが重要です。
また、土地の形状も重要で、整形地であれば効率的な建物配置が可能になり、コスト削減につながります。
方法8:土地の候補エリアを柔軟に検討する
土地の価格は立地によって大きく異なります。駅に近い便利な場所は当然高額になります。
予算に余裕がない場合は、少し郊外のエリアも含めて土地探しをすることをおすすめします。
交通の便や生活インフラとのバランスを考慮しつつ、土地取得コストを抑えることで、建物自体により予算を回すことができます。
◾️平屋を安く建てる際の注意点
コスト削減は重要ですが、平屋の住まいの質を落とさないよう注意が必要です。以下の点に気をつけましょう。
注意1:収納スペースを十分に確保する
コスト削減の際、真っ先に削られがちなのが収納スペースです。
しかし、収納が不足すると生活空間に物が溢れ、快適な暮らしが阻害されます。必要最低限の収納スペースは確保しましょう。
注意2:設備や仕様の選択は慎重に
設備や内装の仕様を下げることでコストを抑えられますが、その効果は限定的な場合があります。
また、日々の生活に直結する部分でもあるため、満足度が大きく低下する可能性があります。コストと生活の質のバランスを慎重に検討しましょう。
注意3:気密・断熱性能と耐震性は妥協しない
住宅の基本性能である気密・断熱性能と耐震性は、長期的な住み心地と安全性に直結します。
これらの性能を落とすことは、将来的な修繕費用の増加や、災害時のリスク上昇につながる可能性があります。
可能な限り高い基本性能を確保しましょう。
まとめ:コストを抑えつつ、理想の平屋を実現しよう
平屋は2階建てよりも割高になる傾向がありますが、適切な計画と工夫によって、
コストを抑えつつ理想の住まいを実現することは可能です。重要なのは、以下のポイントです。
1. 家族構成と生活スタイルに合った適切な規模を計画する
2. シンプルで効率的なデザインを選択する
3. 一体的な間取りを採用し、空間を有効活用する
4. 工務店・ハウスメーカーの標準仕様を上手に活用する
5. 初期コストだけでなく、長期的な経済性も考慮する
6. 土地選びを慎重に行い、必要十分な広さと適切な立地を選択する
これらのポイントを押さえつつ、信頼できる住宅会社と綿密な打ち合わせを重ねることで、予算内で理想の平屋を建てることができるでしょう。
平屋には、バリアフリーで暮らしやすい、開放的な空間を作りやすい、プライバシーを確保しやすいなど、多くのメリットがあります。
コスト面でのハードルはありますが、長期的な視点でみれば、快適で持続可能な住まいづくりにつながる選択肢といえるでしょう。
自分たち家族にとって本当に必要な要素は何か、どこにこだわりを持つべきかをしっかりと見極め、
賢明な選択をすることで、理想の平屋での暮らしを実現しましょう。
著者情報
愛知県豊橋市を中心に、デザイン性とともに丈夫かつ住みやすさにこだわった注文住宅を手掛ける住宅会社です。
耐震等級3を標準仕様とし省エネZEH対応も可能、土地探しから理想の家づくりまでお手伝いします。
<施工エリア>
・愛知県
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湖西市/およびその近郊
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子育て安心住宅&デザインラボの家づくり