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2024.12.24 注文住宅コラム
バルコニーは要る?要らない?決める前に知っておきたいメリット・デメリット
バルコニーは、物干し場としてのイメージが強いですが、実はそれ以外にも暮らしの中でさまざまな役割を担っています。
しかし、実は最近、2階建てでもバルコニーを設けないお宅が増えています。
バルコニーを設けるか・設けないかは、家づくりを計画している方々にとって、大きな選択肢の一つ。そこで今回は、住まいにおけるバルコニーの役割や、設置する際のポイントについて詳しくご説明していきます。
バルコニーとベランダの違いとは?
家づくりを考える際、「バルコニー」と「ベランダ」を混同しがちですが、実は2つの言葉には違いがあります。それは、屋根があるか・ないかの違いです。しかし最近では、どちらも含めてバルコニーと呼ぶことが多いようです。この記事でも、バルコニーとベランダの違いは言及せず、バルコニーという総称でご説明します。
・バルコニー・・・2階以上の屋根のない屋外スペース
・ベランダ・・・2階以上の屋根付きの屋外スペース
バルコニーの基本的な役割
バルコニーは、住まいの外部と内部をつなぐ中間的な空間として、様々な役割を担っています。
・洗濯物や布団を干すスペースとしての役割
第一に、洗濯物を干すスペースとしての機能があります。日本の高温多湿な気候において、洗濯物を外干しできる空間を設けることは、非常に重要です。外干しは、太陽光による殺菌効果や、自然な香りが付くことなど、室内干しでは得られない利点があります。また、バルコニーがあると、寝室で使う布団類を日干しできるのも大きなメリットです。主寝室にバルコニーを設ければ、ベッドから布団類を移動するのも便利です。
・換気の役割
バルコニーは住宅に新鮮な空気を取り入れる役割も果たしています。バルコニーがあると、2階でも掃き出し窓を設けることができるため、開口部の面積を増やせます。そして、窓を開けることで自然換気が可能となり、室内の空気環境を改善することができます。特に朝方や夕方など、気温が適度な時間帯に換気することで、エアコンの使用を抑えることもできます。
・災害時の避難経路としての役割
さらに、災害時の避難経路としての機能も見逃せません。火災などの緊急時に、バルコニーは命を守る重要な避難空間となります。
・庭やアウターリビングとしての役割
市街地で土地を広く確保できない場合や、近隣に住宅が密集している場合は、2階にバルコニーを広く設けることで、庭代わりに利用できます。植物を育てたり、屋外用のテーブルなどを置いて飲食ができるようにしたりと、暮らしを豊かに彩る空間として活用できます。
・エアコンの室外機を置く場所としての役割
エアコンの室外機を置くスペースとしての役割を担っています。もしもバルコニーがない場合は、壁に取り付けるか、1階まで長い管を通して設置しなければなりません。例えば、壁に室外機が設置されるのは見た目的に避けたいとか、長い管を配置したくないという方は、バルコニーを設けるのが得策です。
最近はバルコニーを設けない人が増えている!?
少し前までは、2階建てといえば、南側にバルコニーがあって、お布団を干したり、エアコンの室外機を置いたりするのが一般的でした。
しかし、最近ではバルコニーをあえて設けない人が増えています。その理由の多くは、建築費用をコストダウンするためです。
とはいえ、単にコスト削減のためだけにバルコニーを設けないというのは、あまりおすすめできません。入居後の暮らしや、ご家族のライフスタイルを考慮し、バルコニーを設けることのメリット・デメリットをよく理解した上で選択することが大切です。
バルコニーを設けることのメリット
バルコニーを設ける場合、次のようなメリットがあります。
・生活の質の向上
ガーデニングや園芸を楽しむスペースとして活用できるため、植物のある暮らしを手軽に実現できます。観葉植物や季節の花々、家庭菜園、さらには子どものプール遊びとして、バー気分でお酒を飲むスペースとしてなど、バルコニーがあることで趣味の幅が大きく広がり、暮らしにときめきをもたらします。
・住環境の快適性
バルコニーは、夏場の日差しを遮る日除けの役割を果たし、室内の温度上昇を抑制する効果があります。その結果、冷房効率が向上し、電気代の節約にもつながります。
・プライバシーの確保
道路に面した窓際にバルコニーがあることで、カーテンを開けていても直接的な外からの視線を遮ることができます。特に都市部での生活においては、プライバシー保護の機能は非常に重要です。
・収納スペースとしての活用
バルコニーはエアコンの室外機の設置場所としてだけでなく、季節物の用品や、普段使用頻度の低い物品の保管場所としても利用できます。ただし、その場合は適切な収納用具を使用し、見た目にも配慮する必要があります。
バルコニーを設けることのデメリット
一方、バルコニーを設けることは良いことばかりではありません。設けることで生じるデメリットもあります。
・コストがかかる
バルコニーを設ける際には、外壁工事や防水工事、金物などのイニシャルコストが余計にかかります。それが必然的に建築費用に上乗せされることになります。
・掃除が必要
バルコニーには砂やほこり、鳥のふんや蜘蛛の巣、虫の死骸などがたまるため、掃除を定期的に行う必要があります。また、排水溝のゴミの除去も必要です。特に、バルコニーに水栓があれば良いのですが、なければ水を運んで掃除をしなければならないので、手間がかかります。
・バルコニー分の面積が取られてしまう
バルコニーを設けると、その分2階の面積が取られてしまいます。
・メンテナンス費用がかかる
バルコニーの防水工事は、雨漏りを防ぐために定期的に塗り替えや修繕が必要です。防水工事のメンテナンスを怠ると、バルコニーから躯体内に水が入り、建物の木部が腐ってしまう原因になるので、必ずメンテナンスが必要です。
・防犯リスクが高まる
バルコニーは、プライバシーの観点から、外からの視線を遮り、中が見えにくくなっています。そのため、空き巣にとっては隠れやすく、誰にも見られずに窓の解錠作業ができる都合のよい場所になっています。
上記に挙げたデメリットは、発想を逆転すると、「バルコニーを設けないことで得られるメリット」でもあるわけです。そのため、バルコニーを設けるか・設けないかは、メリット・デメリットをよく理解した上で選択する必要があります。
バルコニーを設けるとき検討すべき課題
バルコニーの設置には、上記に挙げたメンテナンスの問題や建築コストの増加以外にも、検討すべき課題があります。
バルコニーを設置する際には、方角を考慮することが大事です。例えば、北向きのバルコニーの場合、日当たりが悪く、洗濯物が乾きにくいという問題も発生します。
また、強風地域では物干し竿や置物などが風邪で飛ばされないように配慮する必要があります。
犯罪被害リスクにおいても、バルコニーが侵入経路として利用される可能性があるため、適切な防犯対策が必要です。センサーライトの設置や、しっかりとした施錠設備の導入を検討しましょう。
最近のバルコニーの傾向
近年のバルコニーは、単なる機能的な空間から、より豊かな暮らしを実現するための空間へと進化しています。特に注目されているのが、リビング延長としての活用です。広めのバルコニーを設置し、アウトドアリビングとして使用する事例が増えています。
また、デザイン性も重視されるようになってきました。建物全体の外観との調和を考慮し、手すりのデザインや床材の選択にこだわる住宅が増えています。また、プライバシーを確保しながら開放感を演出する、格子状のスクリーンや目隠しパネルなども人気です。
室内との一体感を重視する傾向もあります。大きな開口部を設けることで、室内からバルコニーへの視線の抜けを確保し、空間に広がりを持たせる工夫が増えています。掃き出し窓の採用や、段差を最小限に抑えるなどの配慮により、より使いやすい空間となっています。
バルコニー設置のポイント
バルコニーを設置する際は、以下のようなポイントに注意してプランしましょう。
・設置する方角
まず、方角の検討が重要です。日当たりの良い南向きが理想的ですが、周辺環境によっては東向きや西向きも検討の価値があります。洗濯物を干す際の日照時間や、強風の影響なども考慮に入れる必要があります。
・バルコニーの広さ
洗濯物を干すスペースとしての必要最低限の広さを確保しつつ、その他の用途も考慮して適切な大きさを決定します。一般的な戸建住宅では、奥行き1.2m以上、長さ3m以上あれば、基本的な機能は満たすことができます。
・排水設備の計画と水栓の設置の検討
排水設備の計画も欠かせません。雨水や掃除時の水はけを考慮し、適切な勾配と排水溝の配置を検討します。特に、バルコニーの床面は水はけの良い材質を選択し、長期的な使用に耐える耐久性も確保する必要があります。同時に、バルコニーでガーデニングやプール遊びなどをやりたい場合には、水栓の設置をおすすめします。
・手すりの選択
手すりは安全性を確保しつつ、デザイン性も考慮に入れて検討しましょう。近年は、ガラスやアルミ材を組み合わせた洗練されたデザインの手すりも多く登場しています。ただし、メンテナンス性や耐久性も考慮に入れた選択が必要です。
・日除けの設置
バルコニーをより快適な空間として活用するには、日よけの設置も必要です。オーニングやスクリーンなど、可動式の日よけを採用することで、季節や時間帯に応じた調整が可能となります。夏場の強い日差しを和らげ、より快適な空間を作り出します。
・床材の選択
木目調のデッキ材や人工芝など、床材を工夫することで、より居心地の良い空間となります。ただし、耐候性や滑り止め効果なども考慮に入れる必要があります。
まとめ
バルコニーは、単なる物干し場としてだけでなく、住まいの快適性を高める重要な要素です。設けるか・設けないかは、バルコニーのメリット・デメリットをよく理解した上で、自分たちの理想の暮らしを叶えるために必要かどうかをじっくり検討し、選択することをおすすめします。
設置の際は、使用目的や生活スタイル、周辺環境などを総合的に検討し、最適な計画を立てることが大切です。
また、バルコニーは住宅の資産価値にも影響を与える要素でもあります。将来的な維持管理のしやすさや、リセールバリューも考慮に入れた計画が望ましいでしょう。
著者情報
愛知県豊橋市を中心に、デザイン性とともに丈夫かつ住みやすさにこだわった注文住宅を手掛ける住宅会社です。
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