

「この予算では…」と説得されるのではなく、要望にどこまで近づけるのかを徹底的に探り、やり遂げてくれる会社があったら嬉しいと思う。I夫妻は11年前、風景が気に入り、築20年ほどの中古住宅を買った。「でも、当初から建て替えるのが前提だったんですよ」とIさん。「こんなのどかで優しい緑の景観が毎日見られる土地はなかなか手に入らないと考えたし、その家で10年ほど暮らし、建て替え費用の目処が立ったら生涯を託せる家をと考えたんです」。
だから家づくりを考え出したのは実は10年以上も前。各社の住宅展示場を見学し、チラシや雑誌から自分たちの好みはだんだん明確になって行ったという。建替会社の決め手は建物の剛性の高さを感じたこと、検討したどこよりも自分たちの予算内で“できる”が多かったこと。特に料亭のような土間、インナーガレージは絶対と考えていたのでその会社との出会いは大きかったという。「特にガレージに関しては、道路と土地の高低差、間口の狭さにも関わらず“できる”と判断してくれたのはこの会社だけでした」とIさん。「10年間の想いが全て叶えられました」。
夫妻がつくりたかった家は広々としていて家族はもちろん、人が集まりたくなるような家。そして人が集まりたくなる家は人を受け入れる大らかさも必要。そこで効果を発揮しているのが料亭の座敷へと導かれるように玄関から延びる土間。スノコ状の縁側があって土間から直接出入りできる和室はリビングとも連続させ様々な生活シーンに対応している

せっかくの注文住宅なのだからと、間取りやデザインを徹底的に練り上げたというI夫妻。天井が高くでき、お洒落感が増す、ということで、やりたかったというリビングの梁見せも実現。子どもたちは明るくて広々しているLDKの居心地のよさの虜になっているようで、いつもここで過ごしているとか。「これも狙い通りですね(笑)。やっぱり家族の笑顔を見ているのが一番幸せですから」とママ

広々としたキッチンは対面にスツールが置けるカウンタータイプ。パパがコーヒーを飲んだり、子どもたちが部活等で一人早く出かける時はここで朝食をとるそう。「調理しながら会話ができるし、温かい食事がその場で提供でき、片付けも簡単にできるので便利です」。そして2階へつながる階段ホールとの間には2枚の引き込み戸を採用。開口部が広くなるため開放しておけばリビング階段のような使い方ができ、夏は風通しが良く、冬は閉じることで省エネに貢献するそうだ

キッチンはリビングを隔てないフラットなデザインとした。キッチンからの視界を遮ることのないよう、コンロの壁面はクリアガラスを採用。ダイニングはリビングより南側に少し張り出させ、キッチンと横並びにして窓辺にレイアウト。横並びなので配膳や後片付けの時も回りこまずに済むので便利と好評だ。また張り出させたことでリビングとゾーン分けができ、同じ空間にいながらも家族それぞれが別のことに集中できるとも

リネン庫もたっぷり用意されている洗面・脱衣室は、家事の効率化を図りキッチンと直接つながるレイアウトだ。階段ホールからも出入りでき、就寝前に歯磨きをする家族が「おやすみ」が言いやすいと好評。「この洗面室はすっきりさせたくて、大きな一枚鏡で、人造大理石の一枚カウンターでと考えていましたがその通り夢が叶いました」とIさん

2階にも家族の居場所がほしい、そんな願いを実現するためパソコンコーナーまで造作した多目的ホールを設けた。「以前の家には無かった飾れる場所もいっぱい作ってもらいました」とIさん。正面には屋上感覚の広いバルコニーがあり、窓を開放すれば爽やかな風が流れる空間となった。また、洗濯物の室内干しができる装備もされていて雨の日も大活躍

毎日家族が眺める風景ってとても重要だと思う。そして訪問したIさんの住まいの目の前には新緑が萌える美しい緑の風景があった。I夫妻のマイホームの拠点選びを決定付けた緑の景観だからと、何にも邪魔されず眺望を楽しめるように2階には屋上感覚の広々としたバルコニーを設置。夏になればここを我が家のビアガーデンとして夫婦で楽しんでいるそうだ